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Home > 不妊症についての基礎知識:不妊症の原因

 不妊原因の割合

妊娠が成立しないことには多くの原因が考えられます。原因はひとつでないことが多く、また、不妊検査を行うことによってある程度原因がわかる場合もありますが、検査ではほとんど異常がなかったのにぜんぜん妊娠しないこともあるのが事実です。

 

女性の不妊原因

(A) 排卵障害  20%
(B) 卵管因子  10%
(C) 子宮因子  15%
(D) 子宮内膜症  20%

 

男性の不妊原因

(E) 精液因子、性交障害  35%

 

原因不明不妊

(F) 明らかな不妊原因がない  20%

 

ふたりに原因がある場合

(G) ふたりに原因がある場合  15%

 

ここにあげた原因の割合はあくまでおおよその数です。合計しても100%にならないのは、いくもの原因を重複してもっている場合があるからです。不妊は夫婦どちらか一方の問題ではなく、ふたりが力を合わせて、治療を理解して取り組むことが重要です。

 それぞれの不妊原因について

A. 排卵障害
 

毎月きちんと排卵(=卵巣から卵子が排出されること)しない場合です。その結果、月経の周期がバラバラになり(生理不順)、あるいは何ヵ月間も月経がない(無月経)こともしばしばあります。規則正しく排卵していれば月経も規則正しくおこるので、いわゆる生理不順の女性や無月経の女性は、排卵がうまくおこっていないことによるのです。(詳しくは「排卵障害の治療」へ)

 

B. 卵管因子
 

卵管には、妊娠が成立するために3つの重要なはたらきがあります。1つは卵巣から排卵された卵子を卵管の内にピックアップします。2つめは卵管の内にとり込んだ卵子と精子が受精する場となることです。3つめは受精卵(胚)を子宮内へ移送することです。

 

何らかの原因(多くは炎症)で卵管がつまっていたり(卵管閉塞)、卵管の周囲に癒着がおこっていたりする(卵管周囲癒着)場合は重要な不妊の原因となりますが、卵管は微細な臓器であるため一度損なわれた機能を完全にとり戻す(治療する)ことは極めて困難です。(詳しくは「体外受精-胚移植法(IVF-ET) 」へ)

 

C. 子宮因子
 

子宮は受精卵(胚)を子宮内膜に接着させ(着床)、発育させる役目を担っています。子宮内膜は増殖期(月経から排卵までの間)に徐々に厚くなり、排卵後、分泌期(排卵から月経までの間)にふわふわのベッドになって受精卵が着床します。子宮内膜が「ふわふわのベッド」であることは妊娠の成立には重要ですが、たとえば過去に人工妊娠中絶術や流産に対する子宮内容除去術を受けたあとに子宮内膜の機能が低下してしまい、次の妊娠がなかなか成立しない原因となることもあります。

 

子宮筋腫をもつ女性は少なくありませんが、子宮筋腫は多くの場合不妊原因にはなりません。しかし子宮内腔(子宮内膜)に近いところにあったり内腔に突き出ていたりすると、胚が着床しづらくなることがあります。

子宮内膜ポリープも大きなものは子宮鏡下切除術(TCR)という治療が有効な場合があります。

子宮腺筋症(子宮の筋肉が厚くなるタイプの子宮内膜症)も進行すると胚が着床しづらくなったり流産しやすい原因になったりします。

先天性の子宮奇形は多くの場合そのまま妊娠、分娩が可能ですが、手術を受けたほうがよい場合もあります。

 

D. 子宮内膜症
 

子宮内膜症は、本来子宮の内腔だけをおおっている子宮内膜という粘膜組織が、子宮内腔以外の場所にできてしまい、そこで月経周期ごとに増殖、出血する疾患です。子宮内膜症ができやすいのは卵巣や、子宮・卵巣・卵管の周囲の腹膜、子宮の筋層内です。子宮内膜症は、卵管・卵巣・子宮が互いに癒着したり、周辺の腸や腹膜と癒着することにより、卵管が閉塞したり、卵管による卵子のピックアップの妨げになり、重要な不妊原因となります。また、癒着ばかりではなく、卵巣に子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)ができたり、腹膜に子宮内膜症ができたりすると、卵子の機能が低下しやくすなることもわかっています。

 

最近、この子宮内膜症を原因とする不妊症は増加傾向にあります。月経痛や性交痛、排便痛が以前よりひどくなった女性は要注意です。(詳しくは「子宮内膜症による不妊の治療」へ)

 

E. 男性の不妊原因
 

男性にある不妊原因は精液の異常と、腟内で射精することが困難な場合に大きく分けられます。

精液の異常には精液そのものの量が少ない場合、精子の数が少ない場合(精子減少症)、精子の運動性が低い場合(精子無力症)、正常な形態の精子が少ない場合、そのいくつかが合併している場合があります。異常の有無は射出した精子を調べる精液検査によってわかりますが、精液検査の結果はその日の体調や検査前の禁欲期間によっても大きくばらつきがあります。

 

腟内で射精することが困難な場合には、泌尿器科で勃起不全や射精障害の原因を調べたりすることが有効な場合と、女性にも腟内射精がうまくいかない原因の一端があって男性の治療だけでは解決されないことがあります。排卵のタイミングに性交をもつことが二重のストレスになってしまうことがよくありますが、排卵を意識せずに性交をもつことが難しい場合には、普段したいときに性交をもち、排卵日には人工授精を試みるという解決法も有効です。(詳しくは「男性不妊症の治療法」へ)

 

F. 原因不明不妊(unexplained infertility)
 

不妊原因があるからこそ妊娠せず不妊になるですが、現実には不妊の一通りの検査をおこなっても、全ての検査にこれといった異常がないことが少なくありません。これを原因不明不妊(unexplained infertility、説明不能な不妊)といいます。この中には今後原因を明らかにしたり治療したりする方法が見つかるのもあると思われます。